粗大ゴミの利用状況
あるいは、運良く出世をして、収入が伸び経済的な余裕が生まれれば、ロンドンのハイドパークあたりに素晴らしい内装の高級フラットを購入するか、郊外に立派な門構えの広々とした一戸建てを購入することになる。
それもこれも、イギリスの不動産が、日本とは異なり、中古になっても値下がりしないから出来ることなのである。
だから、不動産は、イギリス人にとって、資産形成の格好の対象である。
自分の居住用としてだけではなく、投資として、ニ軒目、三軒目の不動産を買う。
彼らは、前にも書いたように、金利と景気の流れ、不動産人気の浮き沈みを見ながら、そのタイミングをじっとうかがっている。
もちろん、そうした物件は、購入した後、不動産屋を通して借りてくれる人を探す。
その家賃収入で、銀行からの借り入れを毎月返済しながら、転売のチャンスを待つのである。
不動産投資の対象は、何も国内だけではない。
欧州各国とは、同じEU圏として、国境の垣根が低くなった。
為替の動きが極端なポンド高ユーロ安となった時、とくにイタリアの不動産が割安と見れば、イタリアで不動産の購入に走る人たちもいる。
彼らは、日頃より、各国の不動産相場の動きに目をこらすと同時に、外国為替相場にも精通している。
欧州大陸は、イギリスにとって、文字通り「海外」だが、日本でいう「海外」とは、まるで響きの重さが違う。
ユーロスターに乗れば、海底トンネルをくぐって、わずか三時間で大陸に行けるという交通事情と時差の小ささ、さらに、EU経済圏をともに形成している事情もあって、株も債券も不動産も、イギリス人にとって、欧州大陸は、自国と同じ感覚で捉えることの出来る投資市場なのである。
さらに私見を付け加えれば、陰篭な天気の日が多いイギリスの人々には、本質的に、さんさんたる陽光が降り注ぐ南の国への強い憧れがある。
私のイギリス人の同僚は、三十代半ばでシティでのキャリアを投げ捨て、夫婦でスペインに移住していった。
イギリスからフェリーに乗って、自家用車ごと欧州大陸に渡った。
その車でスペインを数ヶ月旅行した後、金融市場のあるミラノで職を得て、そこに落ち着いた。
彼らは、イギリスに家を持っているが、値上がり中のその家は、人に貸して家賃収入を得ている。
スペインではまだ借家暮らしだが、やがて自宅を購入するつもりで、時機をうかがっているという。
イギリスにある持ち家は、値動きを見ながら、ここぞというところで売り抜けるのだろう。
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